世界のどの地域においても、言語、文化、食べ物、服装など、その土地ならではのテイストがあります。旅の醍醐味は、まさにそうした異なるテイストを発見し、享受することではないでしょうか。今回の記事では、地球を横断する小さな旅に出かけ、世界で最もゴージャスで伝統的な民族衣装を見ていこうと思います。ひょっとしたら、美しい衣装の数々のあまり、なぜ自分の服はこんなにダサいのか、と思ってしまうかもしれませんよ!(笑)
ケチュア族の民族衣装
南米の先住民族であるケチュア族は、世界トップレベルに美しい伝統的な民族衣装を持っています。この衣装は、ペルー、チリ、エクアドル、コロンビア、アルゼンチン、ボリビアでよく着用されていますが、最も特徴的な点としては、その変わった帽子です。帽子のほかに、もう一つ目を引くのがポンチョです。ポンチョは、現代ファッションアイテムとして一般的に普及していて、男性も女性も着用します。ケチュア族のポンチョは、大抵の場合、真紅のカラーをしていて、催眠術にかかってしまうような精巧なデザインが施されています。全体的にみても、まさに傑出した衣装だといえるでしょう。
カフタン
カフタン(ブブ)は、西アフリカで最もポピュラーな女性の民族衣装です。見た目は、プルオーバーのようなローブで、丈は足首まであります。元々は、古代メソポタミアで発明されたもので、地域によっていくつかのバリエーションがあります。カフタンの最大の特徴は、鮮やかで息をのむような色合いと、魅惑的なデザインであり、一般的にローブと同じ色のヘッドスカーフが一緒にセットでついています。
アルメニアの民族衣装
アルメニアの伝統的な民族衣装は、その文化と同様に、バリエーションが豊富です。移住者と征服者の両方から影響を受けており、トルコ、ペルシャ、地中海文明のインスピレーションも多少加えられています。女性が着用するこの衣装は、流れるような動きをしています。当初はウールで作られていたそうですが、シルク製の衣装が徐々に広まっていきました。デザインとしては、精巧な刺繍が施され、美しいジュエリーが添えられています。華やかなヘッドピース、ベール、ショールも身につけるのが人気の着方です。足元には、編み上げの靴下と「ドレク」と呼ばれる舟形の伝統的な靴を履きます。まさにその美しさに圧倒されるほど、見事な民族衣装です。
ディルンドル
ディルンドルとは、ヨーロッパのいくつかの国の民族衣装を指す言葉です。南ドイツ、オーストリア、バイエルン、スイスなどで親しまれています。ウエストにギャザーがあり、ドレスの丈は膝下まであり、時には足首まで長いこともあります。アルプス地域に住む農民が着用してきた伝統的な衣服で、驚くほど美しいデザインです。無地のベーシックなドレスではありますが、今では細かい模様や値段の張る柄を持つバリエーションも出ています。ただ、こうしたタイプの民族衣装は、シンプルであることこそが魅力でしょう。シンプルで素敵な衣装なので、毎日着たとしても苦にならないでしょう。
サリー
サリーを語ることなしには、洗練された伝統衣装のリストは終われませんよね。サリーは、ペチコートと呼ばれるアンダースカートの上に着るドレスであり、長さは5m〜8mの布地でできています。その布の端は肩にかけ、腰に巻いて着用します。主にインドをはじめ、バングラデシュ、パキスタン、ネパール、スリランカの一部で使われていますが、地域によって様々なスタイルで着用され、生地や柄も異なります。